誰でもできる!「英語耳」を作る方法

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Q. たくさん英語に触れているはずなのに、リスニングスキルが上がっている気がしない

20代の専業主婦です。今は子育てで仕事を離れているのですが、いずれは復帰したいと考えています。さらにスキルアップして、より良い職に就きたいので、学生時代に得意だった英語を活かしたいと勉強を再開しました。悩みは、文法やリーディングは問題ないのですが、リスニングがどうも苦手だということです。

リスニングはたくさん英語に触れることが大事だと聞いたので、ポッドキャストにリスニング教材を入れて、家事をしながら聞くようにしていました。しかし新しい教材を始めるたびに、聞き取れない単語が出てきてしまいます。テキストを確認すると、知っている単語なので、単純に聞き取れていないようです。たくさん英語に触れるだけでは、リスニングスキルはアップしないのでしょうか。

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A. リスニングの「ながら学習」ができる人とできない人がいます

歌の上手な人は英語を話すのも上手だと言われています。真偽のほどはさだかではありませんが、歌の上手な人は耳がいいので、日本語にはない音でも聞き取れる、ということはあるようです。

たとえば「ア」という音があります。日本語では「あ」は一つの音ですが、英語には「え」に近い音の[æ]や、「あ」に近い音の[ʌ]など、「ア」という音だけでもいろいろな音があります。

人の脳は、新しい事柄を、これまでに学習した知識を代用して理解しようとする習性があります。さきほどの「ア」という音もそうです。英語の発音記号では[æ] と[ʌ]というまったく別の音なのですが、日本語にはない音なので、日本人はどちらもすでに知っている音の「あ」として聞いています。

元々耳がいい人ならば、これを自然と聞き分けることができます。そんな人は、他のことをしながらリスニングのトレーニングをしても、聞き取りのスキルは上がっていきます。でも普通の人は音の細かな違いを聞き取れないので「ながら学習」だけではスキルアップは難しいのです。

 

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Q. では生まれもった「よい耳」がないなら、これ以上リスニングスキルはアップしないのでしょうか。

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A. そんなことはありません。「英語耳」を作り出す方法があります。

生まれもった「よい耳」がなくとも、トレーニング次第で「よい耳」を作りだすことはできます。最初から歌の上手い人もいますが、トレーニングに通って歌が上手くなる人もいますよね。「英語耳」も同じです。

「人の脳は、新しい事柄を、これまでに学習した知識を代用して理解しようとする」とお話しましたが、これは、新しい事柄が自分にとってあいまいな場合の脳の処理です。さきほどの例だと、[æ] と[ʌ]という新しい音をあいまいに覚えてしまっていると、どれだけ時間が経っても[æ] と[ʌ]という音には聞こえず、自分が知っている「あ」という音に聞こえてしまうのです。 

■「英語耳」を作る方法

 [æ] と[ʌ]という音を脳に覚えさせるためには、はっきりとした違いを知る必要があります。そのためには「ながら学習」ではなく、一度腰を据えて聞き取りをしてみましょう。耳に自信がないのであれば、音の分散が防げるいいヘッドフォンで聞くとよいでしょう。しっかりと耳を覆うヘッドバンド型がオススメです。そうやって音のいいヘッドフォンでじっくりと聞きこんでみると、[æ] と[ʌ]という音が違うことがよく分かるはずです。

こうして一度学習した知識は脳に定着するので、それ以降は「ながら学習」で聞いても音の違いが認識できるようになります。まずは最初に違いを学ぶことが大切です。最初の数回はしっかりと聞きこんで、次に「ながら学習」するようにすれば、効果はもっと高まります。

子育て中の勉強は大変だと思いますが、一度試してみてくださいね。