TEDなど音声教材はレベルに合わせて利用しよう
Q. TEDがいいと聞きましたが、使い方がよく分かりません。
TEDが英語学習に役立つと聞いたので見てみたのですが、ほとんど聞き取れませんでした。日本語字幕をつけて見てみたり、英語字幕をつけてみたりしましたが、これだと文章を読んでいるだけなのではと思います。どんな風に使えば英語学習の役に立つのでしょうか。
A. TEDなど音声教材はレベルに合わせて利用しましょう。
TED、流行っていますね。わたしも好きでよく見ています。
TEDをご存じないという方のために簡単に説明しておきましょう。TEDは様々な分野の第一線で活躍している人を講師に招き、講演会を主催している団体です。分野は学術からエンターテイメントまで多岐に渡っています。
元々は内輪の集まりだったものをインターネット配信するようになり、この配信している動画を、今では「TED」と呼んでいます。当初は字幕がありませんでしたが、現在ではボランティアの協力によって100近い言語に翻訳され、各国語字幕で見ることができます。
英語学習には英語を聞いて、読んで、意味を理解することが不可欠ですので、講演を動画で見て、英語を聞いて、英語字幕を読んで、日本語字幕で意味が理解できるTEDは理想的な英語教材だと言えます。しかしレベルに合わなければ役に立たない教材になってしまうのです。
TEDが自分のレベルに合っているかどうかをチェック
まず、TEDが自分のレベルに合っているかどうかをチェックしましょう。実際にTEDで確認してみます。
この講演は3分。内容も難しいものではないので、リスニングのレベルを確認するにはちょうどよいと思います。これを字幕なしで見てみて、半分以上聞き取れないのであればTEDを英会話教材として使うのは難しいでしょう。
また、この講演は分かりやすいものでしたが、他の講演は高度な専門用語も飛び交います。この講演の英語のスクリプトを読んですんなり理解できないのであれば、単語や文法力が不足しているので、まだTEDを使うには早いでしょう。
TEDはよい教材ではありますが、かなり難しい、レベルの高い教材なのです。TEDを英会話の教材として利用するならば、TOEIC800点前後、少なくとも750点はないと厳しいでしょう。
「英語を聞き続ければ理解できるようになる」とも言いますが、これはあくまで「（意味の理解できている）英語」で、意味の理解できていない英語は、ただの雑音にしか聞こえません。ほとんど理解できない英語を雑音として聞き流すクセがついてしまうと、たとえ良い教材だったとしても、あなたには役に立たない教材になってしまいます。
TED以外で、音声教材があるオススメサイト
TEDがほとんど聞き取れないのであれば、こちらのサイトはどうでしょうか。
BBC Learning English
http://www.bbc.co.uk/learningenglish/
イギリス国営放送のBBCが、英語初学者のために作成しているサイトです。TEDに比べると読み上げスピードはかなりゆっくりですし、スクリプトもついているので、初級・中級者の英語学習に向いています。音声ファイルをダウンロードすることもできるので、スマホなどに入れていつでも聞くことができます。
アメリカ英語がいいという人は、アメリカ国営放送局が運営しているこのサイトもオススメです。
Voice Of America
http://learningenglish.voanews.com/
音声教材を使うには、1）スクリプトなしで音声を聞く、2）スクリプトを見て意味を理解する、3）スクリプトを見ながら音声に合わせて読み上げる（×3～5回）、4）読み上げながらスクリプトを書き写す、5）スクリプトなしで音声を聞いて意味を理解する、という手順を踏むと効果的です。
音声教材で勉強する場合は、今、自分が聞き取れるよりほんの少し難しいぐらいがベストな教材です。内容のレベルとしては、スクリプトを辞書なしで読んでほとんど理解できるぐらいがいいでしょう。それ以上になると、せっかくのいい教材も雑音に聞こえてしまうので意味がありません。音声教材選びはレベル選びが肝なので、試しに聞いて、ちょうどいいぐらいのものを探してみてくださいね。
